アルテミス2号ミッションの途中、宇宙船Orionのキャビン内でNutellaの瓶が無重力状態で浮遊している動画がインターネット上で拡散した。この映像は瞬く間にソーシャルメディアで共有され、数多くのジョグの元となった。ユーザーたちは「史上最も高価な広告」と皮肉る一方、なぜこのような製品が船内にあったのか、宇宙食の基準に反するのではないかと疑問を呈した。
議論が巻き起こる中、甘いペーストがどのようにして宇宙船に持ち込まれたのか疑問視する声が上がった。多くの人はこれが宇宙飛行士の私物ではないかと推測した。しかしNASAには、Personal Preference Kitと呼ばれる少量の私物を認めるカテゴリーが存在する。規則上、このキットには食品は含まれない。歴史的に例外は極めて稀であり、例えばアポロ11号ミッションにおける象徴的な宗教的要素などに限られる。
後に、Nutellaが規則を回避した密輸品や私物ではなかったことが判明した。アルテミス2号ミッションでは、NASAは宇宙飛行士が飛行中の食事計画の一部を自ら決定することを許可していた。クルーは、砕け散ったりキャビンに危険を及ぼす可能性のあるものを除き、日常的な食品や好物を合理的な範囲でメニューに含めることができた。このようにしてチョコレートペーストは公式の乗組員食となった。その他にも、カナダのクッキーやメープルシロップなどが食事計画に含まれていた。
短期ミッションでは、食事計画に関する要件は長期遠征に比べて厳しくないため、ガラス瓶は問題にならなかった。安全で実用的な栄養摂取の手段として承認された。
こうして、この出来事はソーシャルメディアで語られていたよりも単純なものだった。隠れた食品の持ち込みなどは一切なかった。Nutellaはミッション参加者自身の決定とNASAの承認を得て、完全に正式な形で軌道上に到達した。
これに先立ち、月ミッションアルテミス2号の乗組員を乗せた宇宙船Orionは、打ち上げから9日余り後に地球への帰還を成功裏に果たしたと報じられている。